看護師が着用してきた白衣の歴史について

仕事をする時に、必ず看護師は白衣を着用する。その理由は私服に汚れが付着するのを防ぎ、医療従事者として周囲に認知してもらうことができるからだ。看護師の礎を築いたナイチンゲールは、19世紀にワンピースの上に白いエプロンを着用していた。日本では明治時代に看護師の活動が始まったが、ナイチンゲールの影響を受け、長いスカートの洋装だった。白衣の歴史が始まったのは昭和初期で、日本赤十字社が白いワンピースを看護師の制服と定めた。白は清潔感を示す色なので、医療従事者が身につける制服にふさわしいと認識されている。太平洋戦争後はワンピースの丈が短くなって、より機能的な白衣が開発されナース服として普及した。時代が進むにつれてファッションの多様化が進み、白衣ばかりではなくピンクやグリーン、水色などのナース服も生み出された。また、男性看護師の増加や現場での動きやすさを重視したために、パンツスタイルの白衣も導入された。パンツスタイルは理学療法士など、活動的な仕事をする医療従事者も身につけている。さらに生地に伸縮性があり、着脱しやすいスクラブを着る看護師も増えている。かつて、スクラブは手術着として用いられていた。けれど、速乾性に優れており体にストレスを与えないので、スクラブを導入する職場が増加した。スクラブは白のほかに、ブルーやワインカラーなど色の種類が豊富にそろっている。選択肢が多いところも、スクラブの人気が高い理由である。